たった一枚の鉛筆画が、生きてる。「スタジオジブリ・レイアウト展」の魅力

たった一枚の鉛筆画。
「レイアウト」と呼ばれるその一枚の紙に込められた、制作者の想い。

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いまだ数々の人を魅了して止まない「スタジオ・ジブリ」
その魅力の秘密にせまる、「レイアウト展」が開催されているとの噂を聞き、GWを利用して、一路 愛媛県美術館 へ向かいました。

 

たった一枚の鉛筆画。それがタダモノじゃない。

アニメにおける「レイアウト」とは。
一枚の紙に、背景とキャラクターの位置関係、動きの指示、カメラワークの有無やそのスピードなどを書き込んだもので、分業化が進んだ現在のアニメにおいて、作品の統一感を持たせる重要な役割を示しているもの。

そう聞いていたので、構図を決める作業指示書みたいなものが見れるのかなーと思いつつ、今回の展示に挑んだのですが…
正直、想像以上の内容に、圧倒されました。

これ、単なる作業指示書じゃないです。
完全に、コレだけでもう作品の内容がわかる…いえ、もうむしろこのまま絵が動き出しそうな…
それほどまでに、完成された「ひとつの生きてる絵」でした。

 

紙に鉛筆で描いたものとは思えない完成度

今回一番驚いたのは、その「圧倒的な書き込み量」
確かにこのレイアウトを元に、ここから背景やキャラの作画に入っていくんですが…

あの、これもう、色つけるだけで完成するレベル なんですけど。

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ジーナの表情。ポルコの表情。
これ、もうラフ画レベルではないですし…背景のひとつひとつの書き込みもすごい!!!
部屋の中に至るまで、さらに窓の外まで一切手抜きなし!!!

書き込みと言えばコレ、ラピュタの内部シーン。
え…これ、石の模様、全部この時点で描いてるんすか!!!Σ(・∀・;)
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書き込みで言えば、このシーンも。
もののけ姫のエンディング。

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ぎゃー!!!ひとりひとりのキャラの書き分け!表情!
全部細かく描き込まれてる!!!

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さらには、何のシーンだったかパッと思い出せないよーなとこまで、一切手抜きなし。
これ、ラピュタの最初の肉団子屋さんのシーンなんですけど、覚えてます???

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アングルでいくと、このあたりがもう!!!

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というか、もうそのまま動き出しそう!!!

写真 2016-05-05 0 50 37 写真 2016-05-05 0 49 44その他にも、どーやったら思いつくのかわからない飛行船の数々。
なんで細部の構造まで描けるのかわからない架空の機械。

トトロにあるような、心に訴えかける原風景。
そして質感までも再現される、建物や部屋の数々。

紙に描いた鉛筆画なんですが、もうそのひとつひとつの質感までもがリアルに伝わってくるレベル…
何より驚いたのは、コレ、すべてのシーンを、全部ひとりで描ききってる という話。

そりゃー1作品作るの、何年もかかる話ですわ。
というか、宮崎駿さん、あなたは神なんでしょうか。

 

すべてが絵ということ。

ちなみに私、たとえばここで書いてる絵を描くのに、色までつけて約1時間かかってます。
それも参考写真あり、しかも人物のみで。

これに背景つけるとしたら…いったいどれくらいかかるでしょうか。
とうてい考えられるものではありません。

そう思っているところに、このジブリ展。
駿さんの仕事に感動すると共に、絵描きの深淵を見た感じがしました。

すべてが絵ということ。
それは、すべてを描かなければならないということ。

実物を撮影する映画と違い、アニメやマンガは、アングルも季節もシチュエーションも何もかも描き手の想いのまま。
しかしそれはすなわち、すべてを描き起こさなければいけないということ。

人物だけでもダメ。
背景だけでもダメ。
すべてが揃って、はじめて作品が完成する。

そのキーパーツとなるレイアウトを、たったひとりでこなす。
その姿を想像した瞬間、会場内で思わず泣きそうになりました。

あらためて、最高の作品を作り上げてくれた、スタジオジブリの皆さまに、敬意を表します。

よろしければ、絵心ある方、ぜひ行ってみてください。
グッと心に火が灯ります。

 

・概要:「スタジオジブリ・レイアウト展」
・期間:2016年4月23日〜6月19日
・場所:愛媛県美術館(9:40〜18:00 ※入場は17:30まで)
・料金:大人1,400円、高大生900円、小中生600円
※詳しくはコチラのチラシをチェック

※2016年7月16日からは、新潟県立万代島美術館で開催予定との話です。
※ここに掲載している画像は、展示会場で購入した「スタジオジブリ・レイアウト展 図録」から抜粋したものであり、当記事の目的は、著作権、肖像権の侵害ではございませんので、無断転載の禁止および、掲載した画像に問題がありましたら、メールにてご連絡くださいますようお願いいたします。

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