絵で食べていくことができるのか。
(絵で食べていくことができるのか…)
グサリと刺さる言葉。
突きつけられる、夢と現実。
絵というスキルを持つ人が、必ずたどり着く疑問だと思っています。
私も最近こうやってブログを描く中で、挿絵を描いている時に、ふと思った疑問です。
絵で食べていけるのか。
ふとそう思った時、考えたのは、「絵が人にあたえる価値は何か」ということでした。
食べていくためには、自分の絵がお金に変わらないといけません。
そして人がお金を払う瞬間は、いつも何かに「価値を感じた時」です。
たとえば、家電製品。
買うと豊かな生活をおくる自分が見えます。
たとえば、料理。
買うと美味しそうに食事を頬張る自分が見えます。
では、絵の場合はどうか。
絵を買うことで、自分がプラスに感じる瞬間はあるのか。
自分に置き換えてみると、ひとつは、「感動」です。
絵を見ることで湧き上がる感情…
こぼれ落ちる涙…
止まらない笑い…
湧き上がる勇気…
その感情を手にしたいがため、対価を払います。
もうひとつは、「エロ」です。
三大欲求のひとつ、性欲を満たしたいという感情…
そのために支払う対価。
電子書籍の売上の大部分が、常に「エロ」であることは、世の中でも証明されています。
そう考えると、おのずと描くジャンルが決まります。
まず、感動。
ひとつは、やはりマンガでしょう。
しかしマンガは、自分の中では、正直「絵のスキル」だけではなく、脚本(ストーリー)や、演出(コマ割り)まで必要な、どっちかっていうとレベル20以上しかなれない賢者のような、上級者向け職業です。
あたればデカいけど、そこに費やす時間と労力を考えると躊躇してしまう…
そう言った意味では、スポーツ選手に近いイメージ。
なので、もう絵の世界では「マンガ家=最強クラスの職業」だと考えています。
もうひとつの、イラスト。
これは…いったい何をどうすれば、たった一枚の絵で見る人の感情を揺さぶれるのか。
その絵の背景に潜むストーリー…仕草や表情の中にある感情…
マンガなら話の中で表現できるものを、たった一枚の絵に封じ込める。
それができれば、苦労はしねぇ!!!
年上の誘惑。 pic.twitter.com/OT46EL2dvG
— 窪之内英策 Eisaku (@EISAKUSAKU) 2015, 2月 5
その10年後。 pic.twitter.com/zbzBRii7A3
— 窪之内英策 Eisaku (@EISAKUSAKU) 2015, 2月 5
この二枚を見た時、なぜか涙が出ました。
窪ノ内先生の「年上の誘惑」という題材の二枚の絵。
自分の「心が動いた瞬間」です。
もうひとつの可能性としては、価値を感じてくれる相手が、個人でなく企業や会社のケースなんでしょう。
つまりは、「仕事の依頼を受けて絵を描く」ということ。
今だとよく聞くのが、ゲームやなんかの挿絵とか。
しかし…ここは今、正直めちゃくちゃ激戦区 です。
たとえば、ちょっとPixviのぞいて見てください。
もうありとあらゆるジャンル、自分よりめちゃくちゃうまい絵を描く人が、めちゃくちゃひしめきあってます。
圧倒的画力がないと、埋もれて終わりって感じっすね。
あとは、めちゃくちゃ売り込み営業に駈けずり回るってことになると思います。
やはりポイントは、「自分の絵を見た人が、どんな価値を得るのか」
整理してみると、マーケティングの基本と同じでした。
・誰に価値を感じてもらうのか。
・何を価値とするのか。
・どうやってターゲットに知ってもらうのか。
さらにその基本を応用することで、他の業界で起きた破壊的参入者。
ライザップ…10分カットのQBハウス…LCC(格安航空)…
絵の世界でも、まだまだ同じような変化が起きると思っています。
ここ5年足らずを見てみても、Pixivとか簡易に評価してくれる場ができたことでたくさんの絵描きが生まれ、LINEスタンプとかnoteとか絵でお金を稼げる夢が生まれ…目まぐるしく新しい流れが生まれている最中。
上手い下手なのか。
アイデアと行動力なのか。
次に来る時代の変化(もしかしたらもう今起こっているかもしれませんが)…その流れをウォッチしながら、私もこれから少しの間、自分でテーマを持って、いろいろ挑戦してみたいと思います。